メガネの材質は金属とプラスチック(樹脂)の2種類が主流です。ほかにもアルミや鼈甲、木のフレームなどがありますが、主に高級フレームにのみ使用されています。
ここでは金属にスポットを当てて、お話ししたいと思います。私たちプロの眼鏡屋はメガネの金属素材をチタンと合金に選別しています。
合金は昔からある素材で、ニッケル、クロムなどを混ぜたものです。染色性に優れているため、一部のデザイナーからは根強い人気があります。
近年、人気があるのがチタンフレームです。ゴルフクラブのヘッドなどに使用される、軽くて強い素材です。その軽さゆえに今メタルフレーム(金属のフレーム)を購入される方の多くはこちらをお選びになります。
ただ、プロとして眼鏡を扱う側からいうと、チタンフレームはかわいげがない感じがします。たとえば、レンズをフレームに入れる際(枠入れ)チタンフレームはレンズをはねのけてしまう場合があります。軽くて強い素材なので元気がありすぎるときがあるのです。
また、チタンフレームは修理が困難です。例えば、メガネのつるの部分がロー離れした場合、チタンはロー付が難しいのです。チタン専用のローでやるのですが、チタンがはじいてしまう場合があります。ですから、チタンフレームが主流になった昨今、修理メーカーに送ることが多くなりました。
それに対して、合金は素直です。なんてたって、レンズ入れの際、レンズと馴染もうとして自らレンズに形を合わせてくれます。また、フレームの形を変えたい場合、たとえばオーバル(丸型)からウェリントン(四角型)に変えようとすると、合金フレームは素直に指に従って曲がってくれます。ロー付修理などは本当に楽です。「はいっ!」と返事をして、合金はすぐにくっついてくれます。ただ、重い。。。
印象としては、デジタルなチタンとアナログな合金といったところでしょうか? OSでたとえるとチタンがウィンドウズで合金がMacといったところでしょう。チタンに押されて肩身が狭い合金。。。
「合金がんばれ!」
きっと活躍する場があるはずです。今日も合金フレームを手入れしながらつぶやいています(._.)
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