白内障は水晶体が濁ることで視力低下を引き起こす病気です。発症者の9割が加齢に伴って起きる加齢性白内障です。高齢化社会の現在では、自然現象ともいえるほど一般的で80歳以上になると程度の違いはありますが、ほとんどの方が白内障の症状を示します。
白内障は水晶体の水分が失われ、たんぱく質が変質することが原因で濁りとなります。屋外でUVのB波を浴びると水晶体にダメージを受けることがわかっています。また、強度近視と糖尿病が最大のリスク要因ということが、近年の研究から明らかになってきました。
白内障手術は保険適用の場合、片眼6万~7万円、両眼で12万~14万ほどです。遠近両用の多焦点レンズを入れる場合は保険適用外になるため、片眼50万円、両眼100万円ほどかかります。
水晶体が濁ると、網膜に光が届きにくくなり。見づらさやまぶしさといった現象が表れます。濁った水晶体を元に戻すことはできないため、眼内レンズ(IOL)という人工水晶体と取り替えます。
白内障の手術は‘超音波乳化吸引術’という方法が、主流になっています。眼に小さなメスを入れ、そこから細い器具を挿入し水晶体の濁りを超音波で砕きます。濁りを吸い出したら、眼内レンズを挿入して終了です。メスの傷は小さいため早くふさがります。そのため、その日に帰る‘日帰り手術’が多くなっています。
最新の白内障手術ではレーザーを使い、超音波乳化吸引術の1~3の過程をより正確に行うことが可能になっています。また、これまでの白内障術後眼では乱視が出るのが普通でしたが、レーザー手術では角膜乱視の矯正が可能になっています。
レーザー白内障手術のデメリットは
といったことくらいです。乱視を矯正できることを考えれば、レーザー治療を選択したいですね。
白内障術後にまた濁りが出てくる場合があります。これは眼の中に残した水晶体嚢の上皮細胞が増殖するために生じるものです。この後発白内障はYAGレーザーで簡単に取り除けます。治療時間は数分で終わり再発はありません。
それまで曇りガラスのような水晶体レンズを通して見ており、術後まっさらな透明レンズになったために多くの人がまぶしさを訴えます。まぶしさには、光のギラツキが気になるグレア現象と光のにじみが気になるハロー現象があります。時間が経つとなれる人がほとんどです。
グレアとハローは非球面の眼内レンズを選択することによって予防することができます。問診の際、医師にご相談ください。また、遠近両用の累進多焦点レンズは先進医療を実施している医療機関で処方されます。厚生労働省のホームページよりご確認ください。